スマホと眼

****** 参考文献「医道の日本 2018年3月号」*********
「20分間VDT作業をしたら、20秒間、20フィート(約6m)先を見る」
というアメリカの「20-20-20ルール」
よし実践!と決めても、気付けば1時間近く平気で経っている・・
PCの場合、画面から40~50cm距離があるものの、
スマホではわずか平均20cmほどの距離しかありません。
近くを見る時→瞳孔:縮小、ピント合わせ:緊張、寄り目
遠くを見る時→瞳孔:開、ピント合わせ:弛緩、身体は休んだ状態
この遠近調節反応は眼の反応だけでなく、脳の高次機能のひとつで、
長時間続くと「脳が」疲れてしまいます。
そして・・・
近くばかり見ていると、ピント調節が近くに合う
→そのピント調節が凝り固まってしまうと、遠くを見た時に
手前にピントが合ったままになり、ぼけてしまう
→そのうちピント調節力そのものが低下して近くも見づらくなる
加えて、
日本人はお酒に酔ったり、疲れてくると、自然に目が外に向く「外斜位」が多いはずが、
最近では「スマホ内斜視」と言い、寄り眼になったまま戻らないケースが増えているそう。
また、スマホは画面と眼の距離が近いので、無意識のうちに利き眼のみで見ている
「隠れ斜視」と言われる人も多いのだとか。
実物の雑誌や新聞、書籍ならページをめくるために一瞬でも視線が離れるのですが、
スマホはフリックだけで次々とページを移れるので、
目が画面に固定される時間も、自然と長くなります。
スマホを見過ぎて知らぬ間に寄り目になったまま戻らないなんて・・・!
これらには、よく耳にする「ブルーライト」も関係しています。
ブルーライトは、可視光の中でも短波長で、眼球の前の方に収束する光。
光の三原色のうち、青が一番手前で、緑が真ん中、そして赤、という順番。
ただでさえ、近くを見るためにピント合わせで眼軸の手前で像を結ぶのに、
眼球の前に光が収束すると、近視に拍車をかけてしまいます。
さらに、ブルーライトは見続けることで「加齢黄斑変性」になるリスクも増。
黄斑部は眼底にある、モノを見る時にピントを合わせる一番大事な部分。
ここが実際に歪んでしまうので、視界も歪み、ものが歪んで見えてしまいます。
最近、ブルーライトカットレンズ、と売り出されている遮光レンズは、
ブルーライトをカットし、波長の長い緑や赤だけが届くので、
目に優しい見え方になる、という仕組み。
私も使っていますが、確かにちらつきが抑えられて随分と楽です。
ラクな分、つい長時間になってしまうのが注意点ですが(^^;
一方、日光に含まれるウルトラバイオレットと呼ばれる、紫外線に近い、
ブルーライトよりさらに波長の短い光を浴びると、
眼軸(角膜から網膜までの長さ)が伸びて近視になるのを予防し得る、
という研究報告があるのだとか!!
公園でゲーム、という違和感な光景も、
眼精疲労と近視を防ぐには理にかなっているようです(^^;
さて、では具体的にどうしたらこれらの眼精疲労=脳の疲れを防げるのでしょう?
これ以上書くと、スマホでお読みの方の目が心配・・・
ということで、次号につなげます!
 
まずは連休中、「20-20-20ルール」を意識してスマホから目を離し、
美しい緑を味わいましょう♪
眼球運動も効果がありますから、右へ左へ眼の玉を動かし、
ドライアイ防止にゆっくりを目を閉じ、全身で緑を味わうのもよいですね。
 
では連休後半、安全に楽しく過ごされますように。