甘い誘惑と脾

今日は旧暦お正月。

あの見事な赤く染まった皆既月食からもう2週間経ったのですね。

 

2度目の新年、明けましておめでとうございます!

極寒の平昌もオリンピックの熱気に加え、お正月ムードに湧いているのでしょうか。

 

 

 

バレンタインデーとも近かった今年の旧正月。

中国では、情人節、と言い、チョコでなくお花で街が溢れますが、

皆さん、チョコレートに囲まれた一日を過ごされましたか

 
色とりどりに並んだ売り場は見ているだけでもウキウキします♪
が、我が家の長女は甘い物、特にチョコレートが苦手・・・
一方次女は大好き!
同じ環境で育っているのに、この差ってなんなんでしょう?
東洋医学では、甘い味=消化器全般に相当する脾・胃と関連し、
感情では「心配・クヨクヨ」とつながっていますから、
ストレスがかかると甘い物がほしくなり、甘い物を食べるとホッとする、
というのも合点がいきますね。
ちなみに、他の臓腑と味、感情の関連は以下の通りです。
    肝・胆 = 酸 = 怒
    心・小腸= 苦 = 喜
    脾・胃 = 甘 = 慮(心配や悩み)
    肺・大腸= 辛 = 悲
    腎・膀胱= 塩 = 驚(ショックや恐怖)
これらの感情が強くなりすぎると、当該臓腑を傷め、
これらの味をちょっと摂ると、癒してくれます。
が、摂り過ぎると逆に当該臓腑を傷めます。
過ぎたるは及ばざるがごとし。
砂糖は白い麻薬・・・なんてフレーズ聞いたことがありませんか?
糖質制限ブームで、炭水化物や糖質の悪をよく耳にするようになりました。
脳には有害物質から守るための「血液脳関門」という関所があるのですが、
脳の栄養となるブドウ糖はもちろん脳関門をあっさり通過し、
ドーパミンによる脳内報酬回路を活性化させ、
脳内モルヒネと呼ばれるβエンドルフィンを放出します。
簡単に言えば、空腹時に甘い物を食べると、
「おいし~!サイコー!もっと!もっと!」と快楽状態に入り、
さらに量を求めるように設定されているのです。
お酒やたばこ、薬物は中毒性を広く知られているのに、
栄養素であるがゆえに糖質についてはこれまで問題視されてきませんでした。
が、「適量を超えた」量を「不適切に」摂取するのは、
血糖値の急上昇⇔急降下という面から見ても体に負担をかけますし、
もっと!もっと!という脳内回路をエスカレートさせる可能性がある点でも
気をつけねばなりません。
コカインより砂糖水の方が中毒性が高い、というラット実験もありますから、
「甘味」侮れません。
取りすぎれば害となるのは、どの物質でも同じです。
甘い物中毒の他にも、辛い物依存、なんでも塩や醤油をかけてしまう癖・・・
まずは自分の傾向を客観的に把握して、意識することから始めましょう。
 
ひとまず、甘いモノを止めたい!!
そんな方にはこのツボ。
 
上記、脾経(ひけい)の調整をします。
足親指の側面(甲と足裏の間、際のライン)を爪先からさすりあげていきます。
ひとつめの大きな関節を越えたところの「太白(たいはく)」というツボ、
真ん中あたりにある「公孫(こうそん)」というツボ、
そして、ご存知、女性に不可欠「三陰交」。
※詳しい場所はこちらをご参考下さい
 
これらのツボにお灸をするか、お灸がない方は、
スプーンをマグカップのお湯に浸け、熱いくらいのスプーンをツボに当てます。
ツボが分からなければ、脾経に沿って当てていくだけでもOK。
(「経絡図 脾経」で検索すると、沢山図が出てきます)
多少ズレていても大丈夫、気持ちよい、と感じるところに当てていきます。
患者さんで夏場でもないのにアイスクリームを止められなくて困っている!
という方に、これら脾経の調整を中心とした鍼治療を行ったところ、
夜中でも買いに行って食べていたのにピタリと止まりました!と
喜びの連絡が入りました(^^)
消化全般を司る「脾・胃」と「くよくよ、心配」「甘いモノ」負のループから脱却して、
「本当に美味しく食べる」を探してみましょう。
では、改めまして新年快楽!!
アジア各地の旧正月、どんなお正月料理でお祝いしているのかなー
美味しく食べて、体を動かして、今年も元気に!!